防災ノート_311を忘れない_高等学校
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条件 内容 (「こんにちは!気象庁です!」平成19年6月号 気象庁)  東京都では都立病院や警察署などの重要な施設や災害拠点病院のエレベーターに閉じ込め防止装置・機能を付加したり、緊急地震速報を活用した自動制御装置の付加など、機能の向上に努めている。 また、日本エレベーター保守会社やエレベーター協会、ビルメンテナンス協会と協力し、エレベーター保守車両に緊急通行証を交付するなど、閉じ込め発生時に迅速に救出できる体制を整備している。 さらに「1ビル1台」の復旧ルールを周知・徹底させるとともに、自動復旧装置など、新たな閉じ込め防止機能の検討を進めている。●緊急地震速報とは 地震発生直後、気象庁が震源に近い観測データを基に、震源や地震の規模(マグニチュード)を推定し、各地の大きな揺れの到達時刻や震度などの情報を、大きな揺れの到達する数秒から数十秒前に提供する予報・警報のことである。 一般利用者向けには最大震度5弱以上と推定される場合に発表され、携帯電話でも受信できる(表3)。 緊急地震速報を受信した場合、列車や走行車両、信号機を制御して危険を回避したり、学校や職場、家庭では素早い避難行動をとることで、被害を軽減させることが期待されている。 東京都では全ての都立学校をはじめ、都庁舎、都立病院、都営地下鉄、警視庁、消防庁などで緊急地震速報の受信環境を整えている。 具体的には、施設内での安全確保や警戒周知、施設内にいる人の避難・誘導、地下鉄の運行制御、エレベーター制御、津波に備えての水門閉鎖、緊急通信の回線確保、危険作業者への通知、職員の初動体制の確保などへの活用が期待される。 ただし、震源が近い場合は速報の発表が揺れの到達に間に合わない。震度や規模に誤差もあるという速報の限界を認識して活用する必要がある。●都政のBCP(東京都事業継続計画) 事業継続計画BCP(Business Continuity Plan)とは、災害発生時に優先的に取り組むべき重要な業務を継続し、最短で事業の復旧を図るために、事前に必要な資源の準備や対応方針、手段を決める計画のことで、東京都では、①都民の生命、生活及び財産を保護する、②首都東京の都市機能を維持するという二つの目標を設定している。 例えば、入院患者への対応、東京DMAT(災害派遣医療チーム)・医療救護班の派遣、緊急道路障害物の除去、水道施設の応急・復旧、航路・港湾道路の啓開など、全業務のうち1,112業務を非常時優先業務に選定し、発災後からの着手目標時間を設定している。●震災復興対策 東京都が大地震に見舞われた場合、道路、鉄道、港湾施設など、都市基盤の復旧だけでなく被災市街地の再整備などにより、被災を繰り返さない災害に強い都市づくりを進めていくことが重要になる。 しかし、本当の意味での復興は、都市機能の再建やハードとしてのまちづくりだけでは成り立たず、住まい、福祉、保健、教育、環境、雇用、産業など、被災者の生活に関連した様々な問題を克服していかなければならない。 そのため、東京都では震災復興を「震災によって大表3 緊急地震速報一般利用者向け最大震度5弱以上と推定される場合地震が発生した場所、及び震度4以上が推定される地域名称をテレビ・ラジオ等で放送※ガル…加速度の単位で揺れの大きさを表す高度利用者(個別契約等で専用端末により情報配信を受ける方)向け◯ P波またはS波の振幅が100ガル※以上となった場合◯ 推定されるマグニチュードが3.5以上、または、最大予測震度が3以上の場合気象業務支援センターを通じて震源・マグニチュード震度・到達時刻を配信104

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