防災ノート_311を忘れない_高等学校
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(兵庫県立舞子高等学校ホームページから作成)沿道情報などを提供する場所になるが、そうした場合も含めて様々なボランティア活動の可能性が生じる。●東日本大震災と都立高校のボランティア活動 今回の東日本大震災に伴い、災害時帰宅支援ステーションとなり生徒がボランティア活動を行った都立高校は、工芸高校、竹台高校、浅草高校、三田高校、芝商業高校、本所高校、第一商業高校及び戸山高校の8校で、休憩場所への案内や飲料水・毛布やマット・乾パンの配布、湯沸し、食事の用意・配膳、学校近隣道路等の清掃活動など、災害時帰宅支援ステーションの運営を手伝った。 都立高校生が被災地を支援する活動は、他にも様々な形で行われている。例えば、東久留米総合高校は被災地の人たちの力になろうとサッカーファミリー・チャリティーゲームを企画し、小学生、中学・高校生、シニアの3部構成で開催した。当日はサッカーボールを使った各種ゲームやチャリティバザーも行われた(P99 写真1)。 また、竹台高校は、岩手県釜石市で「あらかわ〜そして未来へ」という荒川区民歌が歌詞を変え、「このまち〜そして未来へ」として歌われ続けていることを知り、チャリティコンサートを企画した。この「東日本大震災復興支援チャリティコンサート」の当日には、釜石市の避難所からも合唱団が参加した(P99 写真2)。●ボランティア活動をするには ボランティア活動は自分で調べることから始まる 東日本大震災の復興には高校生のボランティアも貢献している。高校生にもできることはたくさんあり、被災地に行かなくてもできることがある。●防災ボランティアとは 被災地の生活の復旧・復興、被災された人たちへの寄り添いやお手伝いをするために集まってくるボランティアは、自発的に様々な主体と協働している。こうしたボランティア活動は、災害の予防から復旧・復興に至る災害対策のあらゆる局面において、大きな役割を果たしている。 被災地では防災ボランティア活動を円滑に進めるために、災害ボランティアセンターが立ち上げられることが多い。一般的には、被災した地域の社会福祉協議会、日頃からボランティア活動に携わっている人、当該地域の行政機関などが協働して運営を担い、災害ボランティアセンターの運営経験のある外部の人が加わることもある。 災害ボランティアセンターは、被災地のニーズの把握やボランティアの受入れ、人数調整、資機材の貸出しなどのほか、活動内容を検証して、その後の活動に活かす取組を行っている。●高校のボランティア活動 地震直後の混乱の中であっても、他者の助けを必要とする人に出会ったら、自分や家族などの安全を確保した上で、急を要す消火活動、倒壊家屋からの救出、応急救護活動の手伝いなどを積極的に行うことが大切である。 都立高校は、災害時帰宅支援ステーションとして、帰宅困難者に対して、水、トイレ、休息の場の提供、『全国で最初の防災学科 兵庫県立舞子高校』 兵庫県立舞子高校には、環境防災科という防災教育を学ぶ全国で初めての学科がある。兵庫県では阪神・淡路大震災以降、命の大切さ・助け合いの素晴らしさなど、震災の教訓に学ぶ「新たな防災教育」を推進してきたが、それを高校の専門学科で展開しようというものである。 舞子高校では、災害支援ボランティア活動が活発に行われている。今回の東日本大震災でも、被災地に継続的に生徒を派遣するため、5、6月に4グループで28日間、7、8月に3グループで17日間の災害支援ボランティア活動が行われた。これまでの主な活動を紹介すると、平成16年度以降、台風23号の被災地支援、スマトラ沖地震被害に対する募金活動、新潟中越地震被災地訪問・募金活動、パキスタン地震街頭募金、レイテ島地滑り災害募金活動、インドネシア・ジャワ島中部地震募金活動、能登半島ボランティア派遣、ミャンマーサイクロン募金活動、中国四川大地震募金活動、阪神・淡路大震災高齢者支援ボランティア、被災地交流ボランティア(新潟県)、兵庫県西・北部豪雨災害の被災地支援・募金活動、ハイチ大地震募金活動などがある。983-5 防災ボランティア

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