高等学校版 防災ノート
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2 備えよう35ン40庶務班 事例カード避難所での子供の居場所には困った。子供はストレスがたまり、動き出すと周囲の目が気になった。学校の先生が、早々に子供たちの対応策をとってくれて、助かりました。よそでは例えば、「じじい、いびきがうるさくて寝れねえんだよ。」なんて、若者がじいさんをとっちめて新聞沙汰になったことがあったんですよ。ここにも、2階のそれぞれの部屋にいびきの横綱がいるわけですよ。でも、「昨日はうちの部屋の横綱は横綱相撲でしたよ〜、わっはっは。」ですよ。それで笑ってお終い。どうしてもいびきが気になってなかなか寝付けないって人には、耳栓を渡したりしてね。ワークシートに書いてまとめましょう避難所運営シミュレーショングループで事例カードを読んでセリフの改善をしましょう。〈体験談2〉必要だった子供の遊び場〈体験談6〉笑い飛ばした、じいさんのいびき※事例カードについては、東日本大震災等の経験談や書籍等を参考に作成したものであり、当時の状況や思いを伝えるため、原文に近い形で掲載しています。※明友館とは避難所となった建物の名前です。〈体験談1〉ぎゅうぎゅう詰めの避難所生活 避難所での問題で上位にくるのが、プ〈体験談5〉通路がない!歩けない! 避難所では荷物が一面に広がり通路がライバシーがないことと狭さです。幼児と一緒の家族を除いて体育館で寝泊りしてもらい、一人当たりのスペースは2.5m×80cmでした。枕元(または足元)に着替えや飲み物などの個人の物を置くために身長より長めに場所を取りましたが幅は80cm程度です。明確になっていないと、どのように移動すればよいのか分かりませんでした。特に車いすを使用している人や杖を使用しなければ歩行が難しい方にとっては、スペースが十分に確保されていないことで、一度座ってしまうとそこから立ち上がれない、移動できないといった問題が生じていました。〈体験談3〉妊娠中、やっぱり気になる周りの目 避難所での生活を2か月ほどしたが、〈体験談7〉あえて使わない、段ボールの仕切り プライバシーが保たれないということで、妊娠中ということもあり、家族6人で、6畳一間を貸してもらえましたが、周りへの気遣いや、家族への気遣いで、精神的にゆっくりとできなかったです。多くの避難所では段ボールの仕切りが採用されています。しかし明友館では使おうという話にはならなかった。「あれはみなさんをつなぐ妨げになるんですよ。そこに若干でもプライベートな空間があると、人間はどうしてもそこを自分のテリトリーにしてしまう。それこそ隣の人の毛布の毛玉が一個飛んでくるだけでも嫌になるわけですよ。」〈体験談4〉必要だった、障害がある方への配慮避難所では、障害のあるお子さんだけ〈体験談8〉避難所生活は十人十色ではなく、一緒に寄り添う保護者の方も苦労が多かったです。周りの方の理解を得られず、車内で避難生活をする必要に迫られたり、車内で過ごすため食料の配給が届かず十分な支援が受けられなかったりするなど、不安な毎日を過ごす方も少なくなかったようです。夜中にトイレに何度も行くおじいさんがいて、やっぱりトイレに立たれるとこっちも起きてしまいます。寝る前にそんなに水を飲まなきゃいけないって思ってたんですけど、よくよく聞いたら、一度、脳梗塞を起こしていて水分をたくさん摂らなきゃいけないんですね。当然、夜中に何回もトイレに行くことになる。どれもその人の日常なんですよね。

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