防災ノート~災害と安全~高等学校版
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1 災害の特徴から考えよう 6 その他 知る 原子力による災害 外部被ばくと内部被ばく 放射線を体に受けることを「放射線被ばく」といいます。放射性物質が体の外部にあり、体外から放射線を受けることを「外部被ばく」、放射性物質が体の内部にあり、体内から放射線を受けることを「内部被ばく」といいます。放射線を受けると人体を形作っている細胞に影響を与えますが、どのような影響が現れるかは、外部被ばく、内部被ばくといった被ばくの態様の違いや放射線の種類の違い等によって異なります。放射線による人の健康への影響の大きさは、人体が受けた放射線による影響の度合いを表す単位であるシーベルトで表すことで比較ができるようになります。例えば、1ミリシーベルトの外部被ばくと1ミリシーベルトの内部被ばくでは、人の健康への影響の大きさは、同等と見なせます。 外部被ばくの低減三原則 ①離れる(距離) ②間に重い物を置く(遮蔽) ③近くにいる時間を短く(時間) 非常時における放射性物質に対する防護 原子力発電所や放射性物質を扱う施設で事故が起きた場合、放射性物質が風に乗って飛んでくることもあります。放射性物質が体に着いたり吸い込んだりするのを防ぐためには、長袖の服やマスクなどで体の露出を少なくします。万一、放射性物質が手や顔についても、洗い流すことが可能です。 食品に含まれる放射性物質の量に気を付ける。 空気を直接吸込まない(マスクやハンカチで口をふさぎます。)。 風評被害や差別をなくす 福島第一原子力発電所の事故に際しては、放射線を受けた人が放射線を放出するなどといった、いわれのない偏見や差別の問題が生じました。また、福島県産の農水産物を買い控えするなどの「風評被害」もありました。むろん、放射線や放射能が人から人へうつるなどということはありません。信頼できる情報を得て、科学的根拠や事実に基づいた行動をすることが大切です。 退避や避難 放射性物質を扱う施設で事故が起こり、周辺への影響が心配される時には、区市町村、都や国から退避や避難などの指示が出されます。「退避」とは家や指定された建物の中に入ること、「避難」とは家などから離れて別の場所に移ることです。退避や避難の指示が出された場合は、正確な情報をもとに、速やかに落ち着いて行動しましょう。

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