安全教育プログラム 第16集
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11 参考資料(令和4年度における都立高校生の交通事故の実態調査)(3)  指導のポイント1  各校の状況や実態を踏まえ、「安全教育プログラム」に示されている「必ず指導する基本的事項」の指導の徹底を図る。2  「必ず指導する基本的事項」の指導に際しては、年間を通した組織的・計画的な安全指導計画を作成し、関係諸機関や地域との連携を図りながら、効果的に行う。3  「必ず指導する基本的事項」の「交通安全」の指導に当たっては、目標に即して繰り返し指導し、その定着を図るため、体験的な活動や実践的な活動を重視する。さらに、「自転車安全利用五則」の周知徹底を図り、これらの活動を通して、自ら考え判断し、危険を予測し回避する能力を育成するための指導方法や指導内容の工夫・改善を図る。4  「安全教育プログラム」の「一声事例」を参考に、生徒の実態に応じて、日頃から、交通安全に関する一声指導を行う。5  「安全教育プログラム」を参考に、ひやりマップの作成やスケアード・ストレイト方式による交通安全教室などを通して、危険を予測し回避する能力を高める。6  令和6年度から、全ての都立学校において、自転車通学の際は必ずヘルメットの着用を求めることを踏まえ、身近な大人である教職員が率先垂範してヘルメットを着用するなど模範となる姿を生徒に示していくことなどが、生徒の指導に直接つながっていることを全校職員で確認した上で、交通安全指導を推進する。7  自転車専用通行帯の導入、自転車乗車用ヘルメット着用の努力義務化、道路交通法、東京都道路規則等に係る最新の情報を踏まえて指導する。8  電動キックボード、電動アシスト自転車(免許が必要となる出力のもの)などの新しい交通手段は、利用する者もそうでない者も、その扱いやルールに不慣れであり、事故を誘発しかねないことから、警察と連携した交通安全教室を行うなど、知識と共に危険回避に向けた意識と能力を育むよう指導する。 交通安全教育の在り方は、時代や社会の現状に応じて変化する。令和2年の春から新型コロナウイルス感染症が拡大したことにより、自転車や自動車・バイクによる通勤者の増加、オフピーク通学、オンライン学習の実施など、生徒を取り巻く交通環境は大きく変わった。コロナ禍を脱した今、人々の活動が活発になり、インバウンドも急速に回復している。また、新たな交通手段も登場し、混合交通社会の中で身近なものとなりつつある。そうしたことが交通事故の発生状況にも影響を及ぼす可能性がある。社会の変化を見据えて、交通事故の分析方法そのものを検討するとともに、交通安全教育の改善を図っていく必要がある。 交通安全教育の成果は、交通事故の発生件数以外では捉えにくいものである。しかし、根本に あるものは、自他の生命を尊重する態度であり、それを支える人格の形成である。したがって、 全ての教育活動を通じて、ルールを守ることや他者への気付きの力を育成していくべきであり、 自ずと、様々な成果測定のための手法が考えられる。本調査は、そうした教育活動の展開を促す ものと確信する。子供たちが交通事故の被害者にも加害者にもならないようにするため各学校が 創意工夫をし、交通安全教育の充実を図ることが重要である。894 結び

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