安全教育プログラム 第16集
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幼稚園教育要領解説(平成30年2月)第1章 総説 第3節 教育課程の役割と編成等 4 教育課程の編成上の留意事項 (3)安全上の配慮(3) 幼稚園生活が幼児にとって安全なものとなるよう、教職員による協力体制の下、幼児の主体的な 幼児が自分で状況に応じて機敏に体を動かし、危険を回避するようになるためには、日常の生活の中で十分に体を動かして遊ぶことを通して、その中で危険な場所、事物、状況などが分かったり、そのときにどうしたらよいかを体験を通して学びとっていくことが大切である。幼稚園教育要領解説(平成30年2月) 第2章 ねらい及び内容 第2節 各領域に示す事項 1 心身の健康に関する領域「健康」〔内容の取扱い〕(6) 安全に関する指導に当たっては、情緒の安定を図り、遊びを通して安全についての構えを身に付け、危険な場所や事物などが分かり、安全についての理解を深めるようにすること。また、交通安全の習慣を身に付けるようにするとともに、避難訓練などを通して、災害などの緊急時に適切な行動がとれるようにすること。  幼児は園の中で安心して伸び伸びと全身を使って遊ぶ中で、教師からの安全について気付くような適切な働き掛けの下、安全についての構えを身に付けることができるようになっていく。安全についての構えを身に付けるとは、幼児が自分で状況に応じて機敏に体を動かし、危険を回避するようになることであり、安全な方法で行動をとろうとするようになることである。幼児は、日常の生活の中で十分に体を動かして遊ぶことを楽しみ、その中で危険な場所、事物、状況などを知ったり、そのときにどうしたらよいか体験を通して身に付けていく。安全を気にするあまり過保護や過介入になってしまえば、かえって幼児に危険を避ける能力が育たず、けがが多くなることがあるということにも留意することが必要である。幼児の事故は情緒の安定と関係が深いので、教師や友達と温かいつながりをもち、安定した情緒の下で幼稚園生活が展開されていることが大切である。 幼稚園生活の中では安全を確保するために、場合によっては、厳しく指示したり、注意したりすることも必要である。その際、幼児自身が何をしてはいけないか、なぜしてはいけないかを考えるようにすることも大切である。 交通安全の習慣を身に付けさせるために、教師は日常の生活を通して、交通上のきまりに関心をもたせるとともに、家庭と連携を図りながら適切な指導を具体的な体験を通して繰り返し行うことが必要である。また、地域にある道路や横断歩道の映像などの視覚教材を活用した指導や、警察などの専門機関の協力を得た模擬訓練などの指導の工夫が考えられる。 さらに、災害時の行動の仕方や不審者との遭遇など様々な犯罪から身を守る対処の仕方を身に付けさせるためには、幼児の発達の実情に応じて、基本的な対処の方法を確実に伝える必要がある。 特に、火事や地震等の自然災害を想定した避難訓練は、災害時には教師の下でその指示に従い、一人一人が落ち着いた行動がとれるように、避難訓練を行うことが重要である。また、避難訓練は、非常時に教職員が落ち着いて現状を把握、判断し、幼児を避難誘導できるかの訓練であることも自覚して行うことが重要である。活動を大切にしつつ、園庭や園舎などの環境の配慮や指導の工夫を行うこと。28 学校教育法には、「健康、安全で幸福な生活のために必要な基本的な習慣を養い、身体諸機能の調和的発達を図ること。」(学校教育法第23条第1項)と幼稚園で行う安全教育の目標が示されている。また、幼稚園教育要領(平成29年3月)の第1章 総則 第2の3(1)では、「幼稚園生活の中で、充実感をもって自分のやりたいことに向かって心と体を十分に働かせ、見通しをもって行動し、自ら健康で安全な生活をつくり出すようになる。」とされ、領域「健康」のねらいとして、「健康、安全な生活に必要な習慣や態度を身に付け、見通しをもって行動する。」ことが挙げられている。 幼稚園教育要領解説(平成30年2月)には、「安全上の配慮」の中で、「幼稚園生活が幼児にとって安全なものとなるよう、教職員による協力体制の下、幼児の主体的な活動を大切にしつつ、園庭や園舎などの環境の配慮や指導の工夫を行うこと。」と示され、幼児自身が危険を予測し、回避する能力を身に付けることで安全な生活を送ることができるよう指導することとしている。(1)教育課程と安全教育(2)幼稚園教育要領解説幼稚園8 安全教育の計画例1

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