学校・園における震災等に対する避難訓練等の改善について(通知) このことについて、東日本大震災を踏まえ、貴教育委員会では管下各学校・園における防災教育の推進を図るとともに、様々な想定を取り入れた実践的な避難訓練や防災訓練の改善に向けて取り組まれていることに改めて感謝申し上げます。 この間、東京都においては、平成24年4月に首都直下地震等による被害想定を見直すとともに、同年11月には「東京都地域防災計画」を修正しました。防災教育についても、その充実が一層求められています。 貴職におかれましては、地域の実態を踏まえ、避難訓練等を一層改善し、まず自分の命を守り、次に身近な人を助け、さらに地域に貢献できる人材を育てる防災教育を推進するよう、貴管下各学校・園に対し、下記の点について改めて御指導をお願いします。 記1 避難訓練等の想定場面等の見直しを図ること 東日本大震災発生時刻、一部の児童・生徒が下校後だった学校や、管理職が不在だった学校、遠足等で他県等にいて交通機関等の不通により帰宅困難となった学年があった学校、あるいは津波警報が発令された地域や液状化が発生した地域等があったことなどを踏まえて、改めて自校の避難訓練等の想定時間、場面、災害の設定状況等を見直し、別紙資料「震災等に対する避難訓練等を実施する上での配慮事項」を参考とするなどして、多様な場面や状況を想定した避難訓練等を実施する。2 体験的、実践的な避難訓練等となるよう改善を図ること(1) 学校の種別及び地域の実情に即した避難訓練等を設定する 避難訓練の実施計画を策定する際は、学校の種別や校舎等の耐震化の状況を踏まえるとともに、区市町村が定める地域防災計画等におけるハザードマップ等を確認し、特に、木造住宅密集地域、海岸地域、海岸や池の埋め立て地、盛り上、崖の上、崖の下等にある学校は、地震に伴う火災、津波、液状化、浸水、崖崩れ等の二次災害の発生も十分に考慮する。(2) 形式的、表面的な訓練とならないよう、緊迫感、臨場感をもたせる避難訓練等を実施する 幼児・児童・生徒等に訓練実施日は予告しておくが、想定する災害の発生時刻や被害状況等を予告しないで実施したり、消火器や屋内消火栓、担架等を活用したり、あるいは緊急地震速報のチャイム音を用いる等、様々な方法を工夫する。(3) 家庭や地域住民、関係機関等との連携を密にした避難訓練・防災訓練を実施する 学校所在地の消防署や防災機関との連携を十分に行うとともに、保護者等に対して避難訓練等の実施日時、内容、主な想定等を情報提供したり、学校公開日等に避難訓練等を設定したりするなどして参加・協力を求める。 また、学校の避難訓練・防災訓練に、区市町村や町会等の防災担当者をゲストティーチャーとして招いたり、区市町村や町会等が主催する防災訓練に参加したりするなど、保護者や地域との連携を重視した避難訓練・防災訓練を、年間必ず1回以上実施する。3 震災等に対する避難訓練等の計画・実施における留意事項(1) 幼児・児童・生徒の安全を確保する下校訓練の実施 東日本大震災当日の下校方法については各学校で判断が異なったが、集団下校及び単独下校した小・中学校においては、保護者が帰宅困難となったために、児童・生徒だけで自宅で長時間過ごした事例があった。また、都立学校においては約8, 400人の児童・生徒が帰宅できずに震災当日深夜まで学校に待機した。 このことを踏まえ、震災時の下校方法については、幼児・児童・生徒の安全の確保を図るため、「保護者への引き渡し」「集団下校」「スクールバスによる下校」等、幼児・児童・生徒の発達の段階及び自校の実態を踏まえた下校方法について検討し、震災の規模や状況に応じた適切な下校方法が選択できるよう、下校訓練を実施する。(2) 避難訓練の実施回数 幼椎園、小学校、中学校、特別支援学校においては年間11回以上、高等学校においては年間4回以上の避難訓練の実施を原則とする。(3) 避難訓練等における東京都教育委員会防災教育副読本等の活用 避難訓練や防災訓練を実施する機会を捉え、防災教育副読本「地震と安全」(全児童・生徒に配布)、防災教育補助教材「3.11を忘れない」(小学校第5学年、中学校第2学年児童・生徒に配布)、高等学校「保健」補助教材「災害の発生と安全・健康 ~3.11を忘れない~ 」(高等学校第1学年配布)を活用した防災教育を実施する。平成25年2月7日付24教指企第1066号により教育庁指導部指導企画課長から区市町村教育委員会指導事務主管課長及び都立学校長宛て 通知10012学校・園における震災等に対する避難訓練等の改善について(通知)
元のページ ../index.html#102